吹奏楽のための抒情詩「アオギリ」
¥11,000(税込・送料無料)
作曲:政本 邦央
小編成(17人)
演奏時間:約6分40秒
商品内容:スコア譜1冊(A4)
CD-ROM1枚(各パート譜とスコア譜のPDFファイル)
2021年 広島県海田町立海田中学校吹奏楽部 委嘱作品
広島県吹奏楽コンクール小編成の部で金賞を受賞されました
被爆アオギリ
被爆アオギリは、英語訳すると「Phoenix Trees」と呼ばれます。
不死鳥のごとく蘇ったアオギリの子孫たちはいま、世界中に植えられており、私たちに不戦を訴えています。
この曲は「不安」「怒り」「雨」「祈り」「再生」をテーマとし、未来へと歩む希望と、平和への願いを込めて書きました。
破壊性や残虐なシーンの音楽ではありません。
内面からあふれる心情と愛情を、音楽というカタチにして伝えていただけたらと思います。
雨の音
中間部で、雨に打たれるアオギリの場面があります。 「ポタッ」「ピチッ」「ポトッ」
雨の音は、2つの音符で構成するリズムで表現しています。
参考演奏では、私自身のハンドクラップの録音を重ねて演奏しています。
雨らしく聞こえる音をつくる工夫として、片方の手を少し上から優しく落とし、もう片方の手でそれを受け止めます。
そうすると、落ちた雨は一度はね上がり、再び落ちて小さく二度目を鳴らします。
これは「心を打つ雨の音」ですので、演奏の際には、やわらかい雨にしていただけたらと思います。
小編成バンドの工夫
新入部員の生徒さんをコンクールメンバーに入れるかどうか、悩まれたことはありませんか?
コンクールのステージを経験することは大きなアドバンテージにもなりますが、音程や響きなど、合奏練習で先輩たちと同じレベルを要求をするのは気の毒です。
そこで、新入部員のみなさんに打楽器を担当していただくことを、ご提案します。
この「アオギリ」では、多数の打楽器パートを用意しています。
デフォルトの編成では、1人が数種類の打楽器を担当しますが、打楽器全体の人数を増やせば、負担が減って練習がスムーズに行えるでしょう。
打楽器の練習はもちろん大変ですが、自分の管楽器練習の時間では無理をせず、基礎練習のみに集中できるという大きなメリットがありますね。
Lyric poetry for Wind Music
“AOGIRI”
Timp.のセッティング例
参考演奏では低音群と響きを一体とするため、
ティンパニを右側にセッティングしています。
Perc.1 ~ Perc.4 のセッティング例
演奏中の奏者の移動をスムーズにするために、
上図のセッティングを想定して作曲しています。
Lyric poetry for Wind Music
“AOGIRI”
編成について
デフォルト編成(17人) |
Fl. Cl.1 Cl.2 Bass Cl. A.Sax. T.Sax. |
Tp. Hn. Trb. Euph. Tuba |
Timp. Per.1 Per.2 Per.3 Per.4 |
Piano |
※パート譜はCD-ROM内のPDFファイルを印刷してお使いください。 ※印刷された紙面でのパート譜は含まれておりませんのでご注意ください。 |
Lyric poetry for Wind Music
“AOGIRI”
平和への想いを継ぐ
中学生の時に聞いた、ある被爆体験のお話がきっかけです。広島平和記念資料館に展示されている、まっ黒に焦げた弁当箱。そのお弁当を手作りされた、折免シゲコさんのお話でした。
「平和な世の中になりましたが、しかし今でも、花火の大きな音を聞くと恐ろしくなるんです。」
そんな苦しみを抱き続けている人がいるのだと、私の心に刺さりました。色んな事がまだわからない中学生ながらも、こんなにも辛い体験を話していただいたこと、それを私たちが後世に語り継いでいかなければならないのだと理解しました。
あれから数十年・・・大人になった私にはいま、何ができるのだろう。何かできないだろうか。その想いから、復興の象徴である「アオギリ」を題材にしたこの曲を書きました。この曲を演奏する際に、みなさんで平和について考えてみる機会にしていただけたら幸いです。
Lyric poetry for Wind Music
“AOGIRI”