いつも当サイトの「オーディオ話」をご覧いただき、まことにありがとうございます。
今回は、PCオーディオの音質を【高音質化】させるための知識、方法、機材についてまとめてみました。
初めての方にも、このページで一気に読んでいただけたらと思います。
※試される方は【自己責任】でお願いしますね。
PCオーディオ高音質化の「知識」
1.ノイズを取り除くたびに音は良くなる。
パソコンに限らず、電化製品はノイズを発します。「コンセントのノイズ」「電子基板のノイズ」「静電気のノイズ」などがあり、それぞれのノイズ原因をひとつずつ潰していくたびに確実に、音は良くなります。
2.どうしてノイズで音が悪くなるの?
ノイズは機械の仕事を不安定にさせます。機器たち本来の実力が発揮できません。それが音が悪くなる要因となります。
3.ノイズ除去をやり過ぎると、逆に音は悪くなる?
2パターンあります。
①ノイズだけでなく、音信号までも削ると・・・当然に音は悪くなる。これはアウト!
②お気に入りだった音源がイマイチになる? 消えていた音成分が表れ、クリアになり過ぎたり、響き過ぎたりします。この場合は、ノイズ除去をやめて戻すか、さらにもう一歩進めるか?です。私は・・・イマイチを乗り越えて、お気に入りの音源がもっとお気に入りになることを信じて進める派です。
4.パソコンチューニングで音がどんどん良くなる。
CPUやメモリ・SSDなどの負担を減らすと、ノイズが抑制されて音が良くなります。簡単な設定変更から、自己責任で頑張っていただくハードル高めチューニングまで、やれることは色々あります。
5.CDの音情報を100%引き出すという考え方。
CDには本来、純度【100】の音情報が記録されています。それをなるべく【100】のままで取り込み、【100】からなるべく減らさずスピーカーまで届けます。その方法を考えていきましょう。
PCオーディオ高音質化の「方法」
1.パソコンに取り込む音源ファイルをWAV(AIFF)にする。
音源のファイルサイズを圧縮しすぎるともちろん、音質が低下しますよね。ロスレスは保存しているときは一旦圧縮はするものの、再生時には元の音源データに戻してくれるという優れモノです。しかし、ノイズ除去をかなり進めたハイクオリティな状態では、WAVとロスレスでも微妙な音質差があります。元のデータに戻っているのに?どうして?・・・そう、そこがポイント。【戻す】という仕事がひとつ余計にあるので、CPUのお仕事が増えた分、ノイズもまた増えるということです。
しかし、WAVとロスレスの音質差を感じない・・・という方は、これにはこだわる必要はないです。ノイズ原因が他にもある場合は、この音質差は表れないと思います。しかし、ノイズ除去をかなり進めた時点で「あぁやっぱりWAVにしときゃよかった」と後悔してしまうのも嫌なので、やはりWAVで保存することをおススメします。再生アプリによってはWAVでもアルバムアートを表示できるモノもありますよ。
2.パソコンの電源について考えてみる。
まずは、ノートパソコンでしたら電源コードを抜いて、バッテリー状態で聴くことをおススメします。コンセントから電磁波ノイズなどが伝わってきて音質を低下させるからですね。
デスクトップも含め、電源ケーブルを使う場合は壁のコンセントに直挿しが良いです。そしてなるべく、他の機材の電源ケーブルは挿さない方がノイズリスクが減ります。
とはいえ、普通そんなわけ(壁コンセントにひとつ)にいかないですよね? コンセントは有効に使わないと他の機材もたくさんあるわけですから…。そんな場合は、オーディオのためのノイズ除去性能に優れたタップなどを併用すると良いですよ。
3.不必要なアプリをとめて、なるべく再生アプリだけにする。
パソコンは同時進行で様々なアプリやプログラムが働いています。表には出ない多くの裏方さんもいます。CPU(メモリ)が働けば働くほど疲れます。人間と同じです。疲れる分だけノイズを発生させます。ですから、不要なアプリやプログラムを止めることをおススメします。
4.音源データを保管する専用のSSDを用意する。
仕事がはかどらなければ、人はストレスを感じます。SSDも、音源データ以外のモノがゴチャゴチャたくさんある場所では仕事がスムーズにいかず、ノイズを発してしまいます。ですから、音源専用にもうひとつSSDを用意するのが良いですね。
5.音楽再生をする時にだけ、CPUのお仕事を低めに制限する。
Windowsの「電源オプション」で「電源プランの作成」をします。「省電力」にするとパフォーマンスが落ちるわけですが、音質パフォーマンスが落ちるわけではなく、CPUがかなりサボる・・・というわけですね。つまり、これでノイズを発することが少なくなるので、音質は良くなるという発想です。
ただし、これをするとパソコン動作がかなり重たくなります。ですから、アルバム再生ボタンをクリックする寸前にこのモードに変更することをおススメします。注意点は、お使いのパソコン性能(サボってる場合ではないほどパワーが元々弱い…など)がこれに適さない場合は・・・やめておきましょうか。
いずれにしろ、ちょっとパソコンに詳しい方のための方法です。自己責任でお願いしますね。
6.USBの空きをすべて埋める。
USBって便利ですよね。挿せばすぐに使えるわけですから。しかし・・・それが音質を低下させる原因でもあるのです。挿された瞬間に「OK!」と返信。「さあいつでもいらっしゃい!」の常時スタンバイ状態は大変疲れます。まるでSNS(苦笑)
私はUSB-DACを複数機(メイン+サブ+サブ)同時に使用したことで、この現象に気がつきました。他機器によってはノイズを逆に持ってきてしまうこともあるので注意しましょう。「USBターミネーター」を挿すという選択肢もありますよ。
※ちなみに私は、BIOSからUSB接続を切ります。そのうえで全ポートにUSBターミネーターを挿します。マザーボード上のUSB増設の箇所もターミネートしております。音出力は有線LANで。マウスとキーボードは有線のPS/2でやります。使用USBはゼロで徹底しております。
7.映像端子の空きもすべて埋める。
ほとんどの方が、HDMIでモニター出力しており、DisplayPort や VGA、DVI などが空いていると思われます。この映像系の空きが結構なノイズ原因であったりするので、これをなんとかすると音が激変したりしますよ。
方法は簡単です。それぞれの出力系用のケーブルで他機器に接続するだけです。
ちなみに私は以前、VGAについては昔使っていた古いプロジェクターに接続しておりました。これでも十分イケましたが、今は自作のシステム(VGA → BNC(同軸)に変換するモノの先にBNCターミネーターを装着)に接続しております。コレは理論・理屈的に合っているのか?は不明ですが、音はまたさらに良くなったので…深く考えずコレでよしにしてます。
8.BIOS(UEFI)の設定を変える。
一般的にはおススメしません。かなり詳しい方のみ対象です。
詳細は割愛しますが、アナウンスだけざざっとしておきます。
CPUの働くコア数を最少の「1」にする。
使用しないUSBポートやSATAを停止する。
その他にも使用していないモノがたくさんあるので、それら全て停止する。
私はオーディオ鑑賞用(カリカリチューニング)と普段のお仕事用(外付けHDDやプリンター、DTM機材などをたくさん接続する)とで、設定をその度に変更しています。ひとつずつの項目設定を「Music mode」「Full mode」二つ作り(名づけ)ます。セーブしておけば、それらをロードするだけですからそんなに面倒ではありませんね。
9.音声出力を有線LANにしてみる。
コレについては、人ぞれぞれに思いがあるので、おススメというよりはお知らせ程度で読んでください。
基本的に、音源データを速く送り出すほどノイズが増えます。急ぐという仕事が負担だからです。LANがUSBよりも勝っているのは、Windows上で結構ラクに速度調整ができる・・・というところです。
10.電磁波吸収テープ&シートを貼りまくる。
オヤイデが販売している「MWA」シリーズをそれぞれ用途に応じて電源ケーブルや配電盤に貼ります。「MWA」シリーズは電磁波を抑制してくれるモノで、オーディオ機器のみならず色んな電化機器の性能がUP(本来の実力が出る)します。自己責任でお願いします。
11.非磁性体ノイズ抑制シート&テープを貼りまくる。
これは「パルシャット」という旭化成が開発したモノでして、オヤイデがNRFシリーズ(高周波ノイズを抑制してくれるモノ)として販売しております。音声ケーブルに巻いたりするのは、こちらの方が向いています。
12.スピーカーにプラズマクラスターの風を当ててみる。
スピーカーの振動で静電気が発生します。この静電気が結構クセモノでして、オーディオ機材の実力を損ねてしまいます。私はプラズマクラスター機3台(スピーカー+スピーカー+パソコン)をオーディオ鑑賞前に必ず起動します。3台とも邪魔にならない場所に常時セッティングして(その場所から風が当たるように向きを調整して)いるので、スイッチひとつポン!だけで作動しますから面倒ではありません。
PCオーディオ高音質化の「機材」
1.パソコンはどんなモノが良いか?
Windowsはチューニングしやすいです。ユーザー数も多いので情報量もあります。ノビシロ凄いです。
Macはポン付けですでにいい音がします。チューニングでやれることは多くないです。
Linuxは軽くて良い(オーディオ向き)と聞きます。しかし情報が少なくて…挑戦しにくいですね。わかりません。
私はオーケストラはWindows機(仕事場<音楽室>)で、ピアノなどの室内楽はMac(リビング)で聴いています。パソコンチューニングが面倒な人はMac一択だと思います。やはりApple製品の音って凄いですよね~。ていうか、リビングでは小さなMac mini(→テレビ)しか設置できませんので、他に選択肢ないんですよね。
もしも次に、PCオーディオ専用機を買うとしたら・・・中古Windows機のタワー型一択です。フル改造したいですから。改造といっても付ける加えるのではなく、どんどん外していきます。(今のメインPCもマザーボードから色々なモノをかなり除去) 必要条件は、①M.2が装着可能なマザーボード ②映像端子が最少 ③USBポートが最少 ④PS/2端子あり(マウス&キーボード用 ※USBは使いたくない) ⑤有線LANポートあり・・・ですね。
オーディオ用途に特化させようとすると、かなりシンプル機能が求められます。その方がノイズリスクが低いからですね。パワーもいりません。いらないモノはとことんない方が音的に有利です。
2.スピーカーはサイズ的理由で選択肢せまし!
スピーカーをどこに置きますか? 部屋の奥、両サイドにドーン!と置けるスペースのある部屋なら・・・大きなのを何でも置いてください。そうではない方、つまり小さめのスピーカー希望の方々におススメなのが二つあります。JBLの「305p Mk-II」とDALIの「SPEKTOR1」です。
JBLの「305p Mk-II」はアンプ付きなので、別途アンプを必要としません。
DALIの「SPEKTOR1」は別途アンプが必要です。
3.音量が心配な人には、ヘッドホンという最適解あり。
音量の心配は置いといて・・・ヘッドホンで鳴らすという選択は、圧倒的な音響空間が得られる聴き方です。昔のiPhoneについてきたアナログ純正イヤホンでも良い音します(アレ凄い!)がしかし、セミオープンという少しだけ音抜けをさせることで自然な音空間を作りましょう・・・なヘッドホンはおススメです。
4.DACは良いモノを選びたい。
「どのDAC機が良いの?」
コレを知りたい人が最も多いでしょう。(PCオーディオ)(高音質)で検索してみるくらいですから、ちょっと良い音で聴いてやろうかと思うわけです。そのために鑑賞専用のDAC機が是非欲しいところですよね。
とにかく純粋に高音質をDACに求めたい方には、iFi の Zen DAC Signature V2 がおススメですが・・・残念ながら生産が終了した(V3でも次出るんかな?)ようです。これでもか!!というほどのシンプル機能でして、だからこそのノイズリスク徹底的排除ですね。お値段から考えるに、シンプル機能制限した高級機という感じでしょうか。
iFi audio ってどんなメーカー?
iFi audioは、イギリスのハイエンドオーディオメーカーAMR(Abbingdon Music Research)から派生したブランドです。ハイエンド機のために開発された技術を惜しみなく投入しつつも、お値段はリーズナブルなラインナップとなっている、注目のメーカーです。
5.電源関係もオーディオ機材のひとつと考える。
オーディオ機器は「電気」で動くわけですが、その「電気」に元気がないとオーディオ機器が実力を発揮できません。ですから、電源ケーブルやACアダプターなど、電源関係も高音質のためには超重要なオーディオ機材のひとつです。
6.プリアンプは必要不可欠です。
パワーアンプ、プリアンプ、プリメインアンプ・・・
アンプって色々ありますよね? パワーアンプやプリメインアンプは、スピーカーとつながっている一般的なヤツですね。プリアンプとは、パワーアンプに音信号を送る前に、その音信号をもっとキレイにしとこうか・・・というモノです。
プリアンプがなくてもオーディオ再生はできますが、あった方が確実に音は良くなります。
7.ウーファーは鳴ってるのか?ないのか?程度の音量が丁度良い。
映画館って私、あんまり好きではないんですよね。音が良くないからです。ウーファーの低音が鳴り過ぎていて、全体の音バランスを失ってしまっています。まぁ、それぐらいじゃないと効果音の迫力も出んのかな?
話を戻します。PCオーディオにおいてウーファーの鳴らし過ぎは御法度です。「それじゃ意味ないんじゃないの?」と思われますよね。あるんです。意味おおアリ! 低音が薄っすら効くと、サウンド全体のコントラストが上がりますよ。
PCオーディオ高音質化の「まとめ」のマトメ
レコードがイメージを変えた!iPod が全てを動かした!
音質 CD > レコード
音質 CD > カセットテープ
十代のころ、普通にそう ↑ 思っていました。だってCDって最新技術だから?
実際、初めてCDラジカセを買ってもらったときに感動しましたよ。
「サーーー」って全然言わん!って。
ドルビー「B」とか「C」とかありましたよね?昔。
「C」の方が音が良いと思っていました。最新技術だから?
中学生の時、同級生がこう言いました。「オレ、Bの方が音がええと思うんじゃけど…。」
私は言い返しましたよ。んなわけないじゃろ!って。
プロの吹奏楽団のCDよりも、全国金賞の高校生CDの方が上手いと思っていました。
縦横が完璧に揃っているから。しかし、完璧って何?
ふと点けた、テレビのBS放送の音が異常にキレイに感じたことがあった。
音大生の頃、気づいたことがあった。
CDから録音したテープの音って、元のCDよりも良い音がしている気がする。
大人になって、本気のレコードオーディオシステムの音を聴かせてもらった。
その高音質に驚愕し、CDはダメなんだと思った。
CDを本気で聴くことがなくなった。
パソコンにMP3に圧縮で取り込んで聴くだけになった。ただの仕事上の曲。
合唱祭の選曲とか、コンクールの選曲とか。
iPodが欲しくなった。
車で聴く際にセッティングがラクでいいかな程度で購入した。
ビックリした!
とんでもなく高音質だった。
あれから私は、今の私へと繋がり始めたんだと思います。
CDには、どえらい高音質の音源データが入っている。
それを高音質のまんま、iPodに取り込んでいるからこその高音質。
もうCDをディスる私は・・・いなくなりました。
PCオーディオの高音質化は、CDの音情報をいかにそのままスピーカーまで届けられるか?にかかっています。
みなさんのオーディオの音がもっともっと良くなりますように。
マサモトガクフ・オーディオ話
当店はアフィリエイトによる報酬を得ています