「パルシャット」とは、旭化成が開発した磁性体を使用していないノイズ抑制材のことです。これをオヤイデ電気が「NRF-005T」というノイズ抑制テープとして販売しております。今回は、このノイズ抑制テープをDACの基盤に貼り付けてみる!という話です。※真似される方はくれぐれも自己責任でお願いします。

AL-38432DR

私のオーディオ環境で活躍している、アムレックのAL-38432DRです。Made in Japan です。非常に優れたオーディオ―メーカーなのですが、只今入手困難な状態が続いております…。

DACの中身を見てみよう

このように、ネジを外すとシャーっと上部だけがスライドしてくれるので、大変作業がしやすかったです。
静電気でバチン!とやってしまうと故障してしまうので、プラズマクラスターの風にあたりながら作業をします。
※プラズマクラスターには静電気を除去する能力があります。

黒い集積回路の上にパルシャット「NRF-005T」を貼っていきます。5mm×5mm サイズになると非常にしんどいです…。
極細のマイナスドライバーの先でチョンチョンしましたが、ガリっとやっては危ないので、爪楊枝でやれば良かったにのう・・・と後で思いました。
「NRF-005T」をとても小さいサイズに切るので、それのシールを剝がすのがしんどいです。ですが、養生テープでびりっと剥がすとラクになりました。

モニタースピーカーにも、調子に乗って施術してみる

JBLのモニタースピーカー「305p Mk-II」です。毎日お世話になっております。開けてみるとこうなっておりますが、その前に・・・。アイリスオーヤマの電動ドライバーを購入しておきました。大正解です。ネジ数の多さが半端ないのですが、あっ!という間に全ネジを外すことができましたよ。

基板の両端が箱枠にあたってなかなか抜き出せないので、結構ビビッてしまいます。慎重に慎重に、グリグリと外へ出します。この写真の見た目どおり、黒い集積回路にペタッと貼り付けました。他に、基板上のラインの通り方を読んでその上に貼り付けました。

アンプ基盤からスピーカー部分へつながっている線ですね。これにパルシャットをぐるっと貼り付けました。右側の線は電源ONライトのモノでしょうが、一応パルシャットします。画面には映っておりませんが、電源部分の線には「MWA-010 T」をぐるっと貼り付けました。こちらは主に電源周りの電磁波吸収シートとして販売されているものです。

用途によって使い分ける

肝心の音はどうなった?

もう凄いことになりましたよ。例えば・・・タイトな録音ってあるじゃないですか。残響が異常に少ないバッキバキなやつ。(クラシック演奏の話です) 特に、ブーレーズが指揮するバルトークって、タイトなやつ多いですよね? その聴こえ方がガラリと変わります。残響、現れます。ノイズのせいで隠れていたんでしょうね。ブーレーズのバランス耳って驚異的らしく、逆にそれが録音モノで表現しようとすると大変シビアなものになるんかな?と思われます。しかしながら、今回のノイズ対策にて、ブーレーズのバランス耳に近づけたんかな?と思うと嬉しくなりますよねー。名演がさらに名演になりますよ。すでに劇的に良かったマーラーやラヴェル&ドビュッシーの演奏が、さらに好きになりますね。

他にも、1970年代の古い録音なども効果はかなり高かったですよ。ケンペ指揮のドレスデン歌劇場管弦楽団(シュターツカペレドレスデン)による、R・シュトラウスなんかも凄いです。ノイズ施術前は「乾いた音だな~」と嘆いておりました。他CD録音ですでにSKDの音は最高じゃ!という認識はあったもんですからね。しかし、ノイズ施術後は・・・ケンペSKDのR・シュトラウスは名盤!名演!という世間の評判どおりに聴くことができました。特にマンフレート・クレメントのオーボエ協奏曲なんてのは “神” ですね。いや、正確にいうと・・・この演奏だけは前々からずっと聴いてたんです。素晴らし過ぎて。それがもっと良くなったモンですから。ねー。

70年代SKDには他にも、ザンデルリングのブラームスだとか、ブロムシュテットのベートーヴェンだとか、とにかく名演・名盤がたくさんあるわけですが、お聴きの環境によっては「そうでもないじゃん…」ということがあったかもしれません。しかし、ノイズ施術でガラリ!と変わるかもしれませんよ。

マサモトガクフ・オーディオ話

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